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ニンバ

NIMBA

ニンバ山はボッソウの南東に位置します。ニンバ山からさらに南東に230Km行った所にはタイの森があります。タイの森では、1976年からチンパンジーの研究がおこなわれています(Boesch, 1978)。 ニンバ山は、1943年にコートジボアールの、1944年にはギニアの自然保護区に指定されました。コートジボアール側の自然保護区は"foret classee"として国により保護されています。一方、17130haあるギニア側は1980年に生物圏保護区に指定されされました。どちらの保護区も、現在「世界遺産」として登録されています(1981年ギニア、1982年コートジボアール)。

保護地区は220k㎡におよび、最も高い場所は標高1752mのリチャード・モラーロ山です。保護区は、ギニア側に13,000 ha、コートジボアール側に5,000ha広がっています。ニンバ山は深く切れこみ、谷には豊かな森が広がっています。谷や高原、穏やかな丘、岩山、絶壁などとても多様な地形があり、それらすべての場所で多量な水を集めています。

ニンバ山は、1930年代後半にはすでに、地理学者や地質学者、植物学者や動物学者といった科学者たちが注目していた場所でした(Kortlandt, 1986)。植物学、動物学、地質学的にみてもニンバ山は完全な地域で、アダムによって作成されたニンバ山に生育する植物リストはとても有名です(1971-1983)。

ニンバ山の中腹は常緑森林であり(Guillaumet & Adjanohoun, 1971)、標高800m以下の場所では原生熱帯林が分布しています。また、山が急に険しくなる標高800m以上の場所は、低山帯植物中心の森や、背の高い地上性草本類、サバンナが点在しています。つまり、ニンバ山には

1)山頂近くに広がる高地草原。斜面や尾根から離れた場所では、フトモモ科やクズウコン科、ショウガ科の植物が優性種である山地林が点在している。

2)土壌の硬さや地質の構造で変化する、多くの草本植物集団で構成されるサバンナ。これらサバンナは、1000-1600mでは拠水林にさえぎられ、epiphytesが生育しない1000m以上の地域では、バラ科植物(Parinari excelsa)が優性種となる。

3)山のふもとや谷に広がる1次林。Triplochiton scleroxelon やChlorophora regia、Morus mesozygia、Terminalia ivorensis、Lophira procera、Tarrieta utilis、Chrysophyllum gambia (perpulchrum)、Mapania科の植物が優先種となっている。

といった3つの優性植生が存在します(WCMC, 1982)。  コートジボアール側の急斜面では、Triplochiton scleroxelonやPiptadeniastrum africanum、Parkia bicolorといった木で構成される乾燥した中腹の森林が広がっています。ニンバ山では、2000種以上の植物が確認され、そのうち16種はニンバ山固有の植物だと考えられています(Adam, 1971-1983)。そのため、この地域はIUCN-WWFの植物保護計画で、植物の多様性の中心地域に指定されています(IUCN/WWF, 1988)。  
 
 
 ギニアとコートジボアールの両政府は、ニンバ山生態系保全計画をすすめるために、1982年より使節団を組織し、UNESCOと共同で会議を開催しました(Pascual et al, 1988; Pascual et al, 1989)。これらすべての出版物や使節団が、ニンバ山脈で観察される動物相(Lamotte, 1982)や植物相(Fournier, 1987; Schnell, 1987)、土壌についての科学的知識に大きく寄与しています。2001年からは、ニンバ山全体をより効果的にお互いに協力して管理するために、リベリア・ギニア・コートジボアールの三国協議で動物相・植物相インターナショナルが支えられています。

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ニンバ山に生息するスーティマンガベイ(Cercocebus torquatus atys)
2006年撮影

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ニンバ山のチンパンジー(メス)
写真からは見ることができないが、幼いアカンボウを抱えている
2006年撮影

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